IAM(アイデンティティおよびアクセス管理)について徹底解説!

IAM(アイデンティティおよびアクセス管理)とは、社内で使用されているすべてのシステムにおけるIDおよびアクセス管理を自動的に運用する仕組のことを指します。IAMで管理するIDは社内の従業員に限らず、会社に関わるパートナー企業や顧客等もその対象となるため、幅広いID管理の自動化を実現することができます。今回は近年の業務多様化に伴い急速に普及しているIAMの仕組みやメリットについて、わかりやすく徹底解説していきます。

IAMの定義

IAMはデータセンターとクラウドの両方で、すべての企業資源を対象にユーザーIDとアクセス環境の自動管理化を実現します。そのため、IAMを搭載するソリューションは、すべてのユーザーのデジタルIDを管理し、会社組織が抱えるシステムへのアクセスを適切に行うためのツールを提供するものとなっています。

このソリューションによって、組織は管理者としてユーザーアクティビティを追跡し、このアクティビティティに関するレポートを作成することで、各システムにログインする手間なく、会社に関わる全てのコンプライアンスを確保するためのポリシーを適用し、従業員のシステムへのアクセスを管理することが可能になります。つまり、IAMを利用すれば、組織はハードウェアも含む様々なIDを管理することができるのです。

IAMが重要である理由

IAMは、適切な人やモノが適切なリソースへのアクセスを求める際に、その対象に必要なツールに妨害なくアクセスできるようにするセキュリティー手順のことです。
近年、企業における組織内のITシステムは多様化しており、オンプレミスだけでなく、クラウドサービスも組み込んだ社内インフラが増加しています。その為、社内で使用するツールの管理が困難となり、いち早く社内ツールの適切な管理方法を確立することが、企業に求められています。IAMの適切な管理手順は、そんな昨今のセキュリティ管理で重要な役割を担っていくでしょう。

IAMの対象

IAMの対象とする利用者は組織に属する従業員に留まりません。契約社員やクライアント、ビジネスパートナー等、組織に関わる全ての人々がその組織のIAMの対象者となります。また、DX化が進むにつれ、IDは人だけでなくIOTデバイスやAPI等のコードにも割り振られるようになり、IAMの対象はさらに広がりを見せています。

IAMの構成要素

IAMを構成する要素は多数ありますが、代表的なものを上げると以下のようになります。

  • 各対象物本人への単一のデジタルIDの割り当て
  • ログイン時の認証
  • アクセス管理
  • 特定のリソースへのアクセス認可
  • ロール管理
  • コンプライアンス監査

IAMはオンプレミス、クラウド、メインフレームに存在する各種IDを一元的に管理することで、管理者の運用負担を軽減することができます。また、利用者側もシングルサインオン(SSO)や多要素認証(MFA)、セルフサービス化によって利便性が向上します。

IAMの機能

ID管理の主要機能

  • アクセス制御:各必要なシステムへのアクセスを一元管理し、制御する
  • ユーザープロビジョニング:ユーザーに必要なシステムへのアクセスを制御する
  • IDガバナンスと管理(IGA):セキュリティ管理者が企業全体のユーザーIDとアクセス権を効率的に管理できる仕組み
  • ディレクトリ・サービス:認証に関連するあらゆるシステムの集中的な管理及び同期システム

アクセス管理の主要機能

  • ユーザー認証
    • 多要素認証(MFA)
    • シングルサインオン(SSO)
    • 適応型認証
  • ユーザー承認

IAMのメリット

IAMを導入することによるメリットは大きく4つに分類することができます。近年のIT環境の急速な変化に適応するためには以下のメリットが企業運営を行ううえで重要になってくるでしょう

ユーザー管理の自動化

システムを自動化することにより、今まで手動で行っていたために発生していた余分な時間やリソースが削減されます。また、人的エラーも削減され、運用効率の向上も期待できます。

セキュリティの強化

上記の自動化によりエラーが削減され、必然的にセキュリティが強化されます。さらに、IAMの導入により、システムの移行により発生しうるセキュリティの穴を埋めることも可能になります。

利便性の向上

管理を一元化することで、仕事に必要なリソースにアクセスすることができるようになります。そのシステムを関係する人々と共有することにより、利便性の向上が期待できます。

ガバナンスの徹底化

リモートワークの普及により、ITリソースの危険性が高まったため更なる対策が必要になってきています。そこで、ガバナンスの強化による適切な規制を行うことでビジネスモデルの急速な変化などでも、セキュリティとコンプライアンスを維持することができます。

IAMを導入する場合におけるリスクと課題

IAMを実際に導入するとなった場合、管理者が抑えておくべき課題やリスクがいくつか存在します。主に下記の4つは必ず確認したうえで導入に向けて動くことをお勧めします。

  1. 権限の適切な振り分け
  2. アクセス許可後の信頼関係の監視
  3. 組織の現時点で使用しているユーザー認証と差異なく統合させる
  4. ID管理のシームレス化への適切な調整

まとめ

IAMは企業が抱えているセキュリティーやID管理等のIT環境の整備においてとても有益な仕組みです。

かもめエンジニアリングではアクセス制御を行うソリューションとして「KAMOME SSO」、さらにID管理を行うソリューションとして「Keyspider」を提供しており、企業のIAM実装のお手伝いが可能です。ご興味がある方はぜひお問い合わせください。

参考:

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