クラウドサービスの利便性が加速する一方で、企業が見落としがちなセキュリティリスクも増加しています。本記事では、クラウドに潜む代表的なリスクとその背景、さらに多要素認証(MFA)やSSO(シングルサインオン)、ゼロトラストなどの対策方法について詳しく解説します。中堅・大手企業が直面するID管理やアクセス制御の課題解決に向けたヒントを提供します。
目次
クラウドサービスの利用拡大とセキュリティ課題
クラウドサービスは、社内外から柔軟にアクセスできる利便性から、SaaS・PaaS・IaaS問わず広く企業で導入されています。一方で、従来型のネットワーク防御では対応しきれない新たな脅威が発生しています。
主なリスク例:
- ID/パスワードの使い回しによる不正アクセス
- 個人端末(BYOD)経由のマルウェア感染
- クラウド特有の脆弱性やサービス停止によるデータ消失
このような状況では、「セキュリティはクラウド事業者任せで安心」ではなく、企業側にも明確な対策が求められます。
クラウドに潜む5つの具体的セキュリティリスク
クラウドに潜む5つの具体的セキュリティリスク
1. IDとパスワードの管理不備
複数サービスで同じパスワードを使い回したり、ノートにメモしたりする習慣が残っていると、外部攻撃者によるアカウント乗っ取りのリスクが高まります。
2. 外部からの不正アクセス
ログイン情報が流出すると、場所や端末に関係なく社内情報へアクセスされる危険があります。特にクラウドは“どこからでもアクセス可能”な特性があるため、要注意です。
3. 社内の人的ミス・内部不正
誤送信や持ち出し、管理ミス、内部犯罪など、人的ミスは情報漏洩の大きな要因です。クラウド環境では「誰が、いつ、どこからアクセスしたか」の可視化が必須です。
4. サービス依存による脆弱性
クラウドベンダー側のセキュリティ不備により、脆弱性が放置されると情報が外部に流出する恐れがあります。
5. サプライチェーン攻撃やマルウェア感染
クラウドと見せかけた偽サイトやマルウェアへの誘導により、自社端末が攻撃中継地になるリスクも増えています。
セキュリティ強化のポイント:SSOとゼロトラストの導入
SSO(シングルサインオン)でID管理を一本化
複数のクラウドサービスに対して、一度のログインでアクセス可能にする「SSO」は、利便性とセキュリティの両立が可能です。社内のパスワード管理負担を軽減し、ログイン経路を一元化できます。
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クラウドサービスの運用ルールを定義する
2019年にNPO日本ネットワークセキュリティ協会が公表した「2018年情報セキュリティインシデントに関する調査結果」によると、紛失・置き忘れ(26.2%)、誤操作(24.6%)、管理ミス(12.2%)、内部犯罪(2.9%)、目的外使用(0.7%)、不正な情報持ち出し(2.3%)など、人的な原因での情報漏洩が大きな割合を占めています。これらのリスクに対処するためには、アクセス権限の適切な決定、認証機能の利用、バックアップやデータの保存先、ログ管理に関するルール作りなどが有効です。
ゼロトラストでアクセス制御を強化
「誰も信頼しない」を前提に、アクセス元IPや証明書によってアクセス制御を行うゼロトラストアーキテクチャ。社外からのアクセスやBYOD利用でも、安全な接続環境を構築可能です。
かもめエンジニアリングでは、SSOソリューション「KAMOME SSO」で、SSOサービスを提供しております。
アクセス制限
IDとパスワードさえあれば、どこからでも機密情報にアクセスできるという状態は、企業にとって好ましい状況ではありません。アクセス制限を設けることで外部の人間による情報漏洩を未然に防ぐことができます。例として、クライアント証明書の利用による制限や、接続元IPアドレスの制限、接続時間帯の制限などが挙げられます。このように、「認可」を強化することも効果的です。
かもめエンジニアリングは、認可を強化するゼロトラスト接続サービスKeygatewayC1を提供しております。
導入前に押さえたい運用ルールと社内体制
- どの情報資産をどのクラウドに置くか、分類と可視化を行う
- ログの取得と監査ルールを定める
- 社員教育を実施し、フィッシング対策やパスワード管理の意識を徹底
- MFA(多要素認証)の利用や、SSO・IDaaSの導入検討
まとめ:クラウドセキュリティは“使い方”が鍵
クラウドを安心して活用するには、単にサービスを選ぶだけではなく、アクセス制御・ID管理・社内ルールの整備を総合的に行うことが求められます。
セキュリティの第一歩として、まずは自社の「認証・認可」の設計を見直してみてはいかがでしょうか。
よくある質問(FAQ)
Q. クラウドサービスは本当にオンプレより安全なの?
A. 適切な設定・管理を行えば堅牢ですが、過信は禁物。アクセス制御や監視体制がなければリスクは高まります。
Q. ゼロトラストとVPNはどう違うの?
A. VPNは境界防御型、ゼロトラストはアクセスごとに信頼性を検証する“内部からも疑う”アーキテクチャです。
Q. SSO導入のデメリットは?
A. SSO自体が攻撃対象になる可能性もあるため、FIDO2など多要素認証との併用が推奨されます。
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