自社でもクラウドを活用!移行の流れと注意点とは

AWSやAzureなどのクラウドサービスは、近年、企業にとって不可欠なものとなっています。何らかの形でクラウドサービスを自社に導入している企業は、すでに6割を超えているという報告もあります。ただし、サービスの中身はわかっていても実際に現行のシステムから「どのように移行するか」という点は、やや専門知識を要するため、把握できていないという方もいるのではないでしょうか。そこで、今回はクラウドサービスが浸透している背景やクラウドに移行するメリットについて紹介したうえで、実際の移行の流れについて解説します。

クラウドへの移行の状況とサービスの種類

そもそも企業のシステムをクラウドに移行するのはどういった背景やメリットがあるのでしょうか。

データベースの4分の3がクラウドに

MM総研の調査によると、2018年日本国内のクラウドサービス市場は1.9兆円に達し、1.6兆円だった2017年から約18%の成長を見せました。この傾向は今後も続くと見られており、2023年には4.4兆円規模の市場になると予想されています。

また、アメリカの調査会社であるガートナー社は、「3年以内にデータベースの4分の3がクラウドに移行する見込み」と発表しました。これまでのオンプレミスからクラウド移行が進んでいることが報告されています。

代表的なクラウドサービス

代表的なクラウドサービスを紹介します。ここで紹介するものはいずれもサービスの総称で、それぞれについてデータベースやストレージなどの個別のサービスが提供されています。サービスの多くは従量課金制度が取られており、必要な機能のみを利用することが可能です。

  • AWS(Amazon Web Services)
    Amazonが提供するクラウドサービスです。クラウドサービスのパイオニア的な存在で、2019年においてもトップシェアを誇っています。
  • Azure
    Microsoft社が提供するクラウドサービスです。近年、大きくシェアを伸ばしています。
  • GCP(Google Cloud Platform)
    Googleのクラウドサービスといえば、個人向けのGmailやGoogleドライブなどのサービスがよく利用されていますが、同社はビジネス用途でのクラウドサービス展開も行っています。このGCPは、Google社内で実際に使用されている環境がサービスとして提供されています。

クラウド移行の背景・メリットとは

クラウドへの移行が進んでいるのは、導入する企業にメリットがあるためです。企業がデータベースやストレージをクラウドで使用する際の主なメリットを、以下で見ていきましょう。

初期費用の安さ

自社にサーバーやソフトウェアを導入する際には、通常それなりの規模の投資が必要です。企業用のオンプレミス環境を構築するのは、一般的に高額な費用がかかるのですが、クラウドサービスの場合にはこうした機器やソフトウェアを自社で準備する必要がないため、ほとんど初期費用をかけずに運用をスタートすることができます。

従量課金制

クラウドサービスの多くは従量課金制を取っているので、データの通信量や使用量が一定ではない企業にとって大きなメリットがあります。従来はデータを多く通信するときのために毎月費用を多く支払うか、もしくはデータ容量が一定規模を超えると何らかの制限が生じてしまうといった悩みがありました。一方、従量課金の場合は必要最小限の費用で通信ができます。

可用性が高い(アベイラビリティ)

クラウドサービスでは、何らかの事情で通信状態にトラブルが起こってしまった場合でも、さまざまな手段での冗長化によってユーザーが利用できる状態を確保しています。オンプレミスでも同じ手段によって可用性を高めることはできますが、例えばサーバーを複数用意するとなると大きなコストがかかってしまいます。

どこでも、デバイスを選ばずに利用できる

クラウドサービスはインターネットに接続できればどこでも利用できます。例えば、出張中にも社外からスマートフォンやタブレットを使って、社内にいるときとまったく同じ環境の利用が可能です。

常に最新のバージョンのサービスが利用できる

クラウドサービスでは、サービス提供者側が常に最新の状態にアップデートをしてくれるので、いつでも最新のバージョンが利用できます。特にセキュリティ面では、常に最新の対策が施された環境を利用できることは大きなメリットです。また、作業をストップして自身でバックアップを取る必要もないのでユーザーの利便性も上がります。

クラウドに移行する際の注意点

企業にてクラウド移行を進める際の注意点について解説します。

クラウド移行が容易な業務と困難な業務がある

業務によってはクラウド移行が容易なものもありますが、クラウドへ移行することが困難な業務が出てくる可能性があります。例えば、既存のシステムからのデータの移行・連携が困難だったり、必要な機能が利用できなかったりするようなケースです。そういった際には、業務プロセスそのものを変更するか、あるいは既存のシステムをクラウドサービスと連携させる方法を検討する必要があります。

クラウド移行で必ずコストが安くなるわけではない

「クラウド=コスト削減」と考えられる傾向もありますが、必ずしもコストカットに直結するわけではありません。したがって、短絡的にクラウド移行をコスト対策と考えてしまうと、期待した効果が得られない可能性があります。クラウド移行によってのみ得られるメリットなどを踏まえて、費用対効果の面で評価をするのが望ましいでしょう。

セキュリティリスクについての対策が必要

大手金融機関で利用されているほどクラウドサービスは高いセキュリティ対策が施されていますが、セキュリティリスクについての対策は必要です。社外で利用する場合の利用規定やアクセス権限、承認フロー、社内でのセキュリティ研修など、利用上の注意も必要です。

担当者に知識やスキルが必要

自社にサーバーがいらないことから簡単に始められるイメージがありますが、クラウドサービスを利用する際には、社内のIT担当者に一定の知識やスキルが必要です。ネットワークやデータベースに関する知識を持つスタッフが社内にいなければ、クラウドを導入してもサービスを利用するにとどまり、システム構成全体を把握し効率化を実現していくことも困難となります。

クラウドへ移行する手順

それでは、実際にクラウド移行を進める際の手順について見てみましょう。

手順① 目的を明確にして業務の洗い出しを行う

クラウドはあくまで業務を遂行するための手段なので、クラウドへ移行する目的をまずは明確にする必要があります。目的を明確化したのちに、業務の洗い出しを行い、どのクラウドサービスを利用すれば目的を実行できるかについて検討を進めていきます。

手順② クラウド移行による効果を試算する

クラウドへ移行することにより、業務の内容や効率、コスト面などにどのような影響が出るのかについて試算を行います。業務面については、現場のスタッフとの意見のすり合わせをしながら、食い違いのないように進めていくのがよいでしょう。

手順③ サービスの構成を検討する

クラウドサービスは必要に応じて個々のサービスを組み合わせて構築することができます。場合によっては、ハイブリッドクラウド(クラウドサービスと自社の既存のシステムとの連携)やマルチクラウド(AWSとAzureのように複数のクラウドサービスを併用すること)を利用する場合もあるでしょう。構築が複雑になるほど専門的な知識が必要になるため、クラウド導入支援を行っている専門業者に相談するのもひとつの方法です。

手順④ 費用を試算する

クラウド移行した場合の費用を試算します。クラウドサービスは従量課金のサービスもあるため、正確な予想は困難ですが、サービスごとに毎月の上限額を設定するといった手法で、予算を管理する方法もあります。

手順⑤ アカウントを登録しサービスを利用する

クラウドサービスのアカウントを登録して、サービスの利用手続きを進めます。

手順⑥ クラウドサービスを運用する

関連するスタッフにアカウントやパスワードを発行してクラウドサービスを運用します。実際に運用してみると、新たに課題などが見つかることが多いため、運用しながら改善を図っていくのが望ましいでしょう。

適切な進め方で効率的に実現したいクラウド移行

AWSやAzureなどのクラウドサービスには多くのメリットがあることから、冒頭でも述べたように導入する企業はますます増えています。ただし、クラウド移行を進める際には適切な手順に沿って実施する必要があります。目的の設定やコスト試算、セキュリティ対策などを検討したうえでクラウド移行を進めていきましょう。

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参考: